第一章

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とある昼下がり。 私こと那須陽平は机に突っ伏していた。 アットマーク図書館。 何故こんなことになっているのかというと理由は簡単だ。 疲れたから。 自分でも本当に情けないと思う。 でも、仕方ないのだ。 そう。全てはテルが俺に貸した格闘ゲーム"〇が如く"が悪いのだ。 いよいよどうしようもなくなってきたんじゃないかと思うが、そうなのだから仕方ない。 ありのままの俺をさらけ出しただけだ。 俺、正直者。えらい子。 自分で自分を誉めるのもいい加減気持ち悪くなってきた。 ちなみに俺の周りには誰一人としていない。以前にも同じシチュエーションがあったが、今回はその時のようなことは起きるはずもない。 何故ならその元凶は今、勉学に勤しんでいる頃ではないかと思うからだ。 まあ、裏を返せば俺はサボリってことになるわけだがそれは棚に上げておくことにする。 とここで5限終業のチャイムが。 くだらないことに思いをめぐらせていたら、至福の時間を無駄に消費してしまったようだ。 この後の6限にはクラスでの定例会議があるので、真面目に出ることにする。 俺は適当に持ってきた新聞をもとあったところに戻してから図書館を後にした。
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