第一章

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勝負に関係があるとすれば、彼らだけでなく俺自身にも直接関係してくることなので、いろいろと聞いてみることにした。 「それって先輩たちみんなが秘密にしてるの?」 肯定。 「面白そうにしてた?」 肯定。 「哀れむようにしてた?」 否定。 とこんな質問してから考えていると、同じ三組に所属している尾崎君がこんなことを言った。 「あ~でもなんか、頑張れよみたいなこと言ってた気がする。」 頑張れよってことはたぶん俺達がその何かに実際的に関わっていくことになるのだろうか。 なにか先輩たちがスペシャルなサプライズでも用意しているのか。 でも、そんなことやってたら情報は漏れてくるわけで。カマちゃん直属部隊なんかもいるわけだから、彼らが見落とすわけもないし。 みんなが思考を巡らせてだんまりし始めたところで、山田君がパチッと手を叩いて場を締めた。 「まあ、そのうち分かるんじゃねーの。今は飯食おうぜ飯。」 そんな一言でこの話は流れた。 しかしながら、勝負のこととなると気になって仕方がないのがこの学校の生徒の性。 あまり公にできない事情がありそうなので、この件については自分で個人的にいろいろメスを入れていこうかと思う。 まずはこんな時というかこんな時にしか頼りにならないあの人のところへ御教授賜るために行くことにした。
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