4人が本棚に入れています
本棚に追加
「シカトしてんじゃねーよ!…あ?!………ぅ、うわあああああああああああああああああああ!!」
…………‥‥‥。
「警部、ご苦労様です!」
「ガイシャ連中の身元は?」
「は。隣街の高校生達の集まりで、よくこの辺を深夜徘徊してたそうで…」
「隣街の高校生ねぇ…しかし、この殺され方は尋常じゃねえなぁ…」
遺体は全身の骨を折られ、額には刃物のようなもので貫かれた深い傷痕が二本。
「やり口は前の事件と同じか…しかし、ガイシャの共通点はなく、三件目とはな…」
コートの胸ポケットからタバコとライターを出して、口にくわえると火をつけ深く煙を吸い込んだ。
「…ふぅー…何なんだこの事件は…」
誰が答えてくれる筈もなく、ただ夜空に吸い込まれて消えていく…。
しっくり来ない疑問を溜め息混じりにタバコの煙と共に吐き出した。
事件現場から少し離れた電柱の上に、1人のシルエットが月を背に立っていた。
「…微かに感じる妖魔の気配…必ず、必ず見つけ出す」
そう言葉を紡ぐと髪を翻し、夜の闇へとその姿を消した。
最初のコメントを投稿しよう!