第一章 日常から非日常へ

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事件絡みの時に集まるマスコミはあまりいい印象がない。たぶんこの考えは俺一人じゃないと思う。 晃に目を向けると口をへの字に曲げている。明らかな不快を感じているようだ。 何処からかこちらに向けられている嫌な視線を感じ、視線を向けているのが誰なのか探してみると校門の向かいに立っている電柱に、寄り掛かっている一人の男と目が合った。 男は電柱から離れ、こちらに向かってくる。 「君たち、ここの生徒だよね?例の事件の事で2、3聞きたいことがあるんだけどいいかな?」 「俺達、急いでるんで……!!」 断りの台詞を口にして校門を潜ろうとすると、男は無言のまま二人の肩を掴んだ。 「…今朝の被害者、ここの生徒に暴力や恐喝をしてたって話を聞いてねぇ…殺してやりたいなんて考えてる奴いてもおかしくないんじゃないかな…」 「な!?あんた、何考えて…!!」 「ちょっとそこの貴方、うちの生徒捕まえて何してるんですか?!」 「ちょっと話を聞いてただけですよ…国民に真実を伝えるのがオレの役目でね…」 そう言い残すと背を向け、その場を離れていった。
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