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「ねぇ、昌宏?」
佳奈江が昌宏に話をしてきた。
「何?」
昌宏は答えた。
初デートから三週間が経ち、二人の関係は最高潮だった。
「もうすぐ七月じゃん。だからさぁ、海に行こう!確か昌宏、免許持ってたから・・・ねぇ、行こう!」
佳奈江はかなり甘えた表情で、なおかつ必至に頼んでいた。
「わかった、海ね。いいよ。行こう!」
昌宏は佳奈江に笑顔で言った。
帰り道、佳奈江と別れた後に、昌宏は車の中で考えながら家に向かっていた。
「海なんて五年ぶりに行くなぁ。・・・まさか佳奈江と行くことになるなんて。俺は何て・・・幸せな男なんだ!」
昌宏は嬉しさのあまり窓に頭をぶつけた。
「イテェ・・・」
海に行く前日に、昌宏と佳奈江は買い物をしていた。西瓜やテント、バーベキューセットを買った。
・・・次の日
その日は快晴で気温は28℃と、まさに海びよりだった。
佳奈江を迎えに行き、途中で食材を買い、海に向かった。・・・車内でEXILEメドレーを流しながら。
海に着き、昌宏はテントを作っていた。そして、作った後に佳奈江がいないことに気が付いた。
「佳奈江、どこいった?」昌宏は何回も名前を言った。
「ごめん、探した?」
佳奈江は森の中から叫びながら走ってきた。
水着に着替えていたのだという。
何がともあれ、二人は海で、食事でかなりはしゃぎあった。まるで小さな子供のように。
そして、いつのまにか夕方になっていた。
二人はテントの中にいた。
「今日はかなり遊んだね。」
昌宏が言う。
「うん、遊びすぎて疲れちゃった。」
佳奈江もそれに答えた。
しばらく二人の間に沈黙が続いた。
その沈黙を佳奈江が破った。
「昌宏君は私のどこに惚れたの?」
佳奈江は昌宏にストレートに聞いた。
その質問に対して・・・昌宏は、
「・・・見た目もかなりよかったのもある。でも、あの時に俺は佳奈江となら楽しくやっていけるんじゃないかって・・・そう思ったんだ。」
と本音を言った。
「・・・そうだったんだ。昌宏君、ありがと。これで私の悩みはなくなったよ。」佳奈江はそう告げた。
その話をしているうちに、夕日は沈み、月が出ていた。
月の光が、優しく二人を包んでいた・・・。
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