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あれから色々な話を聞いた。
長靴を履いた猫の前はただの野良猫同然だったと言うこと。
カラバ公爵様が大好きだったと言うこと。
語っている時のシャロンは何処か淋しそうに遠い所を見詰めていた。
猫…ねこ…ネコ…。
淋しそうなシャロンを慰めようかどうしようか悩む。
さっき会ったばかりだし、でもこいつここに居座る気だし…。
ちょっとくらいは…
人間として常識だよね?
そう思ってそっと頭を撫でてやる。
最初はビックリしたように固まっていたけど撫でる度力が抜けていく。
そして嬉しそうに喉を鳴らしてとんっと俺に寄り掛かってきた。
勿論俺はビックリ。
寄り掛かってって言っても俺のが小さいから押し潰されてる感じ。
それに腕の中に落ちてきたから端正なお顔が俺の目の前に。
「…ご主人様…。」
薄く開いた口からぽつり言葉が落ちてそのまま俺の口を塞いだ。
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