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「やっぱりここだったんだね」
将焚はそう言いながら有の隣りに座った。
「将焚君‥」
有は桜の苗木の隣りに座って泣いていた。
「有ちゃんなんで泣いてるの?」
将焚が聞いた。
「お母さんがね‥もう将焚君に会えないかもって‥」
有は泣きながら呟いた。
「そっか‥。大丈夫だよ。会いにくるから」
将焚は微笑んで言った。
「無理だよ。ほら見て」
有はそう言うとポケットから地図を取り出して地面に広げた。
「これは?」
「お母さんにもらったの。日本地図だって。ここがね、今私達がいるところで、将焚君が行くのはここ」
有は指をさして言った。
福岡県と青森県。
九州の最北端と本州の最北端。
その距離は地図で見てもかなりのモノ。
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