始まり

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「ここなら大丈夫かな?」 有は一つの苗木を手に持ったまま隣りにいる将焚に聞いた。 「多分大丈夫。ここならきっと切られはしない」 「うん」 将焚の言葉に有はうなずいた。 静かに有は地面にしゃがみ、苗木を植えた。 将焚もしゃがみその苗木に優しく土をかけた。 二人は顔を見合わせて笑った。 「大きく育つといいな」 「うん。あの桜みたいな運命は辿らないでほしいね」 将焚と有は立ち上がった。 「またくるからね」 そう言って二人はもときた道を引き返す。                                      
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