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有が言った『あの桜』というのは、有と将焚の通っている幼稚園の近くの桜。
大きな桜だったにもかかわらず近々マンションを建てるという理由で切り倒されてしまった。
幼い二人はそれがすごく悲しかったのだ。
近所に住んでる中一の修はそんな二人に苗木を渡した。
小学校卒業のとき好きな所に埋めるよう先生に言われたモノ。
修はどこに埋めるべきか分からなくてそのままとっていたのだ。
「これ桜の苗木。二人にあげる。好きな所に埋めていいよ」
そう言って二人に手渡した。
二人はパアッと笑顔になってさっきの場所へと走ったわけだ。
ちなみにさっきの場所は二人の秘密基地である。
まだ四歳なのに探検が大好きで二人はいろんな場所をあちこち走り回った。
そのとき見つけた場所。
鬱蒼と茂る森の中の秘密基地。
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