別れ

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有はアパートの一室に家族と住んでいる。 「有ーちゃん、あーそぼ」 インターホンに届かない将焚はドアごしに有を呼ぶ。 「将焚君お待たせ。行こっ」 有は白いフワッとしたワンピースに身を包みドアからでてきて、ニコッと笑って言った。 「うん」 将焚も笑顔でうなずいて二人は走り出した。 行く場所は話さずとも決まっている。 秘密基地だ。 あの桜の苗木の近く。 それが目的地。 二人は笑顔でそこを目指していた。 桜の苗木は変わらず風に葉を揺らしていた。 二人は苗木の近くに腰をおろした。                                      
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