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日はとうに暮れ、暗闇が地を覆い、辺りは月明かりのみある暗闇となっていた。ロボットが野宿を提案したので、そこらで止まった。
ロボットは自分のオイルを使って火を点け始めた。
「ロボットに火は必要なの」
少女は静かに聞いた。
「何を言ってるんだい。君のためだよ。人間はすぐに体温が下がるからね。」
少女にとって予想外の答えだった。
「なんで…他の人はすぐ殺しちゃうのに」
ロボットは答えた。
「君は僕にとって必要だからさ。君が死んだら僕も死ぬ。ロボットだろうと人間だろうとそこは変わらないさ。」
その後、少女はロボットのあの変なものを回した後、眠りについた。ロボットの上で寝るのは断った。
外の世界は知らないことだらけ、知ったことは暗くて、つらいことだらけ。あの頃に戻りたい。
お母さんとお父さん、そして村のみんながいた、あの頃に…。少女は知らない内に涙をこぼしながら泣いていた。
幾分か時間が過ぎた頃、少女は首筋がぞくぞくとするので目を覚ました。見ると小さな毛虫がまさに首筋を這い上がろうとしていた。
少女は小さな声をだし、すぐに起き、すかさず飛び退いた。ロボットはすかさずそれを叩きつぶした。
「じゃまな者にはそうするの」
少女はこわばった表情で尋ねた。
「邪魔にならなければいいだけさ…たぶん」
心ない返事が帰ってきた。
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