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また遮られた。そして男は興奮した口調で言った。
「人間だと。ここら辺のか、何故ここにいる。」早口だった。
ロボットはたまらず切れた。
「無礼だ、無礼すぎる。裁判にかけ……」
言いかけ半場で、ドンっと鈍い音が聞こえてロボットは3メートルぐらい遠くに吹っ飛んでいった。信じられなかった。
男は体を微動だにもせず、軽く殴っただけだったからだ。普通の人間があのロボットを殴って吹き飛ばすことなどできないはずだった。
男はロボットを侮蔑の目で見て、言った。
「黙れ、ロボットはロボットらしく素早く答えやがれ。調子に乗りやがって…。」
ロボットは彼を怖れていた。
こんな人間…いや生物とは会ったことがない。
人間でもなくロボットでもない大きな人型。怖ろしいほどの力。ロボットは彼の鋭い目に引きつけられた。まるで彼が巨大な黒い怪物のように感じられるような禍々しい目をしていた。
これが、恐怖とゆうものだとロボットは初めて知った。
「そ…そうだ、彼女はただの…普通の人間」
ロボットはとても怖そうに声を震わせて言った。まるで、人間のようだった。
「本当だろうな、ウソだったら…わかってんだろうな。」
男は、いや怪物はニヤリとして言った。ロボットはコクリと頷いた。少女もそれにあわせた。
そして、怪物はおぞましさを増しニヤリともせず無表情で言った。
「じゃあ…もう用済みだな。不快だから失せてくれ。」
男が何かをロボットに投げた、するとその瞬間ロボットは眩い光に包まれ、雷のようなものが多数ほとばしった。
光が無くなった後、そこには最初と同じ無表情な人形があった。一つ違ったのは、黒こげでゴミみたいになっていたことだ。
「…ウぅっ…」
黒こげの人形から音が漏れた。
男は舌打ちをした。
そして、それに近づいていった。いつの間にか、男の手には大きな軍用ナイフが黒く光っていた。
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