衝動

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「やめて…」 見ると少女がロボットの前にそれを庇うように立っていた。 「…ふざけてんのか。それとも、こいつらがお前の村を潰したってことを知らねえのか。」 男は冷たい目で少女を見ていた。 少女は怯えながらも答えた。 「…知ってるけど、殺しちゃだめだよ。」 男はすぐに続けた。 「殺す…。違う、壊すんだ。ただ壊すだけだ。」それでも少女はかたくなにそこをどこうとはしなかった。 「そいつに着いてけば、生きれるからか…」 男は聞いた。 「違うよ、ただ殺したらだめなの。もしロボットを殺したら、それも同じことだもん。」 少女は言った。 迷いのない、澄んだ目をしていた。 男はまた尋ねた。 「じゃあ、こいつを生かしてどうする気だ。」 少女は少し考え、言った。 「友達になりたい。」 男はニヤっと笑った。 かと思えば、いきなり大声で笑い始めた。 「ハハハっ…こりゃあ、傑作だ。この世界にこんな奴がいるとはな。オンリーワンだぜ、お前。」もう男に怪物の面影はなかった。ただのでかい男が、大人気なく笑っていた。 少女は男の突然のかわりように驚いてていた。 黒こげたロボットは何がなんだか、よくわかっていなかった。
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