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まだ、鳥も鳴かないような時間。
薄暗闇のなかに、荒廃した地が広がっている。
木は枯れ、大地にはしなびた草がぽつぽつと茂っているのみ。
おおよそ人がいるような場所ではない。
だがそうではないらしい、そこには人影が一つまるで亡霊のようにゆらめいていた。
おそらく少女だ。
7歳ぐらいに見える。
同じく荒廃した少女がそこにいた。
おそらく白いワンピースだったような土の色の混じったの布を着ていた。長く白い髪が少女の背後で揺れている。
服の汚れのせいでその髪は妙に目を引きつける。少し不気味に見えた。
少女はかすれた歌を歌いながらひたすらペタペタと歩いてる。
よく見ると裸足だ。
彼女は何なのだろうか。何がしたいのだろうか。だが、誰も知ってはいない。知る由もないだろう。
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