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ミラは、静かに机の引き出しを開け、中からボーガンを取り出し、先程セフィロスが置いたボーガンの矢をセットした。
「何度言えば分かってくれるのでしょう・・・。あぁ、ワタクシは胸が締め付けられる思いがして、涙も止まりません」
よよよ、と涙を拭うふりをするミラ。片手にボーガンを持って言う事ではない。
「愛しい愛しいセフィロスに・・・手をあげるのは、何とも悲しい事ですが、仕方ありませんね・・・」
悲しいなら、しないでくれ!と、言えるものなら言ってみたい。
ミラはニッコリと微笑むと、ボーガンをセフィロスに向け、引き金を引いた。
バシュッ!────
「あらあら・・・」
確実に、セフィロスの頭を狙ったボーガンの矢は、セフィロスに当たる事なく、真後ろの扉を貫通して再び壁に突き刺さった。
目の前で、数本の白い髪がパラパラと宙を舞って落ちていく。
それ以外、誰も居なかった。
「相変わらず、逃げ足の速い・・・」
ミラは溜め息をつくと、ボーガンを仕舞い、車椅子の背凭れに凭れ掛かった。
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