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そんな人間が、何故、政府なんかと協定を結んだのか。セフィロスは、不思議でならなかった。
世間では、死刑囚が脱獄したのは、教会の護りが薄かったからだとか、陰で色々と言われているが、それは違う。
あの日、あの事件があった夜、見張りをしていた監守は、政府の人間だったのだ。
確かに、政府に任せた教会に非があるのは認めよう。なら、脱獄者を見逃した政府には何のお咎めもないのか。
良いように扱われているような気がして、虫酸が走る。
「ところで、ワタクシの愛しいセフィロス。昨夜、たいそう見事なパフォーマンスを見せてくれたと、近隣住民からお叱りの電話を頂いておりますが、どういう事か、このワタクシでも理解出来るように、かつ、簡潔に述べていただけますね?」
きた。
セフィロスは毎度の事ながら、溜め息をつかずにはいられなかった。
笑顔のミラ。
訂正。目が笑っていない笑顔のミラを見る事は、政府の人間に会う事の次に苦手だ。
「任務は迅速に、かつ、完璧に。いつも貴方に教えてきた事、だったわよね?セフィロス」
「・・・そうですね」
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