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セフィロスは、ミラの部屋から10メートル程離れた所に姿を現すと、盛大に溜め息をついた。
何が、愛しいセフィロス・・・だ。毎回毎回、殺そうとしているくせに・・・。
セフィロスは、心の中で悪態つくと、長い廊下を再び歩き出した。
今回、ミラの耳に報告が入っていたのなら、政府に顔を出さなくて大丈夫だろう。
勝手に自己完結させると、自然と足は軽くなる。
だが、次の瞬間に、良い気分がぶち壊された。
「セフィロス・B・ローズマリー!」
後ろからフルネームで呼ばれ、セフィロスは不機嫌も露に振り向いた。
「フルネームで呼ばないでくれませんか?ナイトレイ」
セフィロスと同じ黒いコートを纏い、薔薇の紋を首から下げた政府に送り込んだ3人のひとり。
名を、ヴェルディ・ナイトレイ。
明るい茶髪は肩下まで伸びており、横に結って垂らしている。ミラとは、また違った笑みをずっと維持し続けている、見た目は優男。その顔で何人の女が落ちた事か、数知れない。
「直ぐに政府に顔を出すようにと、伝言をミス・ローズマリーに頼まれたよ」
「わざわざ、どうも」
セフィロスは半ば、棒読みで言い放つと、直ぐにその場を離れようとした。
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