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セフィロスは、意識を集中させると、髪と瞳の色素を元に戻した。
先程とがらりと雰囲気が変わる。
ヴェルディは満足そうに微笑むと、再び歩き出した。
他の奴等は、色素異常を起こさないらしい。教会に入って初めて任務をした時に、司祭達に奇異の眼差しで見られた事があり、任務時はいつもフードを被っている。
あれは、嫌だ。
人間は、他とは違う何かを見ると恐れや奇異を含んだ眼差しを此方に向ける。あれは、後にトラウマとなった。
大司教や司教は、皆と同じように接してくれる為、嫌いじゃない。
だが、昔親に捨てられた為に、人との付き合いが怖くなり、まだ壁をつくっているのだ。
人との接し方が分からない。
本当の笑い方も当に忘れてしまった。
しばらく、黙って黙々と歩いていると、政府に一瞬で移動する為の、瞬間移動(テレポーテーション)室に着いた。
「さて、行こうか」
ヴェルディの言葉に黙って頷くと部屋に入る。
そこにあった大きな魔方陣の上に立つと、ヴェルディはテレポートに必要な魔力を注ごうと意識を集中させたが、いきなり怪訝そうな顔になると、セフィロスに顔を向ける。
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