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教会と同じく白で統一された長い渡り廊下。
壁には所々、外を見渡せる隙間があり、丁度帝都を見下ろしている感じ。
あの事件がある前までは、夜でも賑やかな程活気づいた都市だったのに、今では夜の6時以降、誰も外に出ようとしない。
祭りも何もない、静かな都市へと変わっていった。
コンコンコンッ────
「大臣!司教のお二人をお連れしました」
『お入り』
失礼しますと秘書は言い、静かに扉を開ける。
そして、セフィロスは真正面で、机に肘をついて頬杖をついている法務大臣を真っ直ぐに睨み付けた。
「いやぁ、物騒だね。少しはワタシにも笑顔を見せてほしいな」
本当に法務大臣なのかと疑いたくなるほど、若い。いつ見ても目を疑いたくなる。
だが、実は三十路だったり・・・。
名を、カオス・ヴィンヤード。
法務省最高責任者、法務大臣である。
「僕がお前なんかに笑顔を向けると、思っているのか?今すぐ病院に行け。僕が手配をしといてやろう」
もちろん、裏の奴等だが。
「いやいや、遠慮しておくよ♪君に手配を頼んだらワタシ、死んじゃうから」
チッ。
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