‡第1楽章‡

11/30

957人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
分かっているじゃないか。 セフィロスは、不愉快さを顔に出すと近くにあったソファーに座った。ヴェルディも続いて座る。 カオスもセフィロスの隣に座ろうとしたが、無言で睨まれ、仕方なく向かいのソファーに座り込んだ。 「で?何故お前は僕達を此処へ呼んだ?ミス・ローズマリーに報告が届いていたのなら、お前はもう知ってるんだろう?」 「うん、知ってるよ」 バシャッ!──── あっさりと答えやがったカオスに、セフィロスは目の前に置かれた熱々の紅茶をぶちまける。 カオスはしばらく顔を押さえて転げ回っていた。 「で?用件は何だ?」 セフィロスは、ソファーの背凭れに盛大に凭れながら足を組み、額に青筋を立てながら、カオスを睨む。 「僕は、お前と戯れている程暇じゃない。一体、何時だと思ってるんだ?夜明けの5時手前だぞ?今日は学校があるんだ。手短にしろ」 紅茶をぶちまけた事など、悪びれる様子は全くなく、再び入れ直された紅茶を手に取る。 今度はちゃんと飲む為に。 カオスが条件反射でハンカチで顔をガードしたのを見て、鼻で笑う。 そこまでされて、何故自分を自らのテリトリーに入れるのか理解に苦しむ。 ミラといい、カオスも大概奇天烈だな。 セフィロスは黙って紅茶を飲み干した。  
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

957人が本棚に入れています
本棚に追加