957人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
しばらくお茶を楽しんでいたが、 カオスが急に真剣な表情になったのを見て、ヴェルディとセフィロスはカップを置いた。
これで真剣な話じゃなかったら、どうしてくれよう。
だが、その心配はいらないようだ。それは、カオスが手にしている書類の束を見れば一目瞭然。
新しい仕事の依頼だ。
「先ずはこれを見てくれないかい?」
そう言って手渡された書類に目を通す。一見、ただの何かの写真と共にクリップで留められた書類の束。
実は、依頼内容と事件が詳しくまとめられた最重要書類である。
それを何故、司教に見せるかと言うと・・・、
「実はワタシの下では手に追えないものでねぇ。君か、ヴェルディ君にお願いしたいんだ」
スッと細められた目。
相手に有無を言わせない威圧感。
これがあるから、僕はお前が嫌いなんだ。
セフィロスは、そっと視線を書類に移すと、クリップで留められた写真を見る。
仲の良さそうな夫婦が写っていて、女の方は妊娠しているのかお腹が膨らんでいる。
次の写真を見ると、その女の惨殺遺体が写っていた。
腹が切り裂かれ、臍の尾が切断された胎児が剥き出しになっている。
正に血の海。
いつの間にか、書類を握る手に力が入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!