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「…っクシュン!」
一面の銀世界に一つのくしゃみがこだました。
「バカでかいくしゃみだなぁ…。」
「バカは余計だ、バカは。」
雪山の頂上にある完全貸し切りのロッジの庭園で、二人の少年が熱いコーヒーを手にしながら愚痴っていた。
「…ったく、何でこの俺がこんな寒い場所に足を運ばにゃならんのだ…。」
「仕方ないでしょ、戒のパパがパーティー出られないって言ってるんだし…仮にも警視正代理なんだからパーティーの場所ではしゃきっとしてよね。」
「いちいちうるさいな、大体俺はこんな…。」
この何かにつけて文句を言っているのが道永 戒。親が異例の若さで警視正にまで昇進したエリートの親を持つ少年。腕力、知力、洞察力…どれをとっても親譲りで一級品だが、性格がそれを補って余りあるほど悪い。
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