~銀世界への招待状~

2/7
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「…っクシュン!」   一面の銀世界に一つのくしゃみがこだました。   「バカでかいくしゃみだなぁ…。」   「バカは余計だ、バカは。」   雪山の頂上にある完全貸し切りのロッジの庭園で、二人の少年が熱いコーヒーを手にしながら愚痴っていた。   「…ったく、何でこの俺がこんな寒い場所に足を運ばにゃならんのだ…。」   「仕方ないでしょ、戒のパパがパーティー出られないって言ってるんだし…仮にも警視正代理なんだからパーティーの場所ではしゃきっとしてよね。」   「いちいちうるさいな、大体俺はこんな…。」   この何かにつけて文句を言っているのが道永 戒。親が異例の若さで警視正にまで昇進したエリートの親を持つ少年。腕力、知力、洞察力…どれをとっても親譲りで一級品だが、性格がそれを補って余りあるほど悪い。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!