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「……ちゃ……きて……」
「んぅ?」
体を揺すられる感覚に、俺はうっすらと目を開ける。そこにはマイ天使こと綾里が微笑みながら佇んでいた。
「おはよう、お義兄ちゃん!」
「おはよう、綾里」
普通の挨拶。
綾里とのこのような挨拶は一週間たっても慣れるものではなかったが、何となく幸せな気分に慣れる。
その後俺と綾里は仲良く下へと降りていくと、『正樹さん』がコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
「おはよう、綾里、昂」
「おはよう、お父さん」
「おはようございます、『正樹さん』」
俺がそう挨拶をすると、『正樹さん』の目から涙が溢れ出す。
…………。
…………理由はわかったかもしれないが――
「なぁ、昂?いつになったらお義父さんと読んでくれるのかい?」
「来年にまた『義理の父』にふさわしいかどうか質問するんで、それまではないかと」
「ぐぉぉっ!!」
正樹さんは苦しむように頭を抱え、そして――
「あれは無効だ!!」
バンバンとテーブルを叩く正樹さん。
……何が不満なんだ?
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