プロローグ→エピローグ

3/13
前へ
/25ページ
次へ
※ここから綾里視点です。 私は義理の兄に憧れている。 お兄ちゃんじゃなくて、お義兄ちゃん。 優しくて、頼りになって、私のことを大事に考えてくれて……。そんなお義兄ちゃんに、私はずっと憧れていた。 「……着いたよ、綾里。ここが奏(カナデ)さんのお宅だ」 お父さんの声に、ふと我に返った。 奏さんとは、私のお父さんの再婚相手の方。お父さんは美人なんだぞとかのろけていたけれど、何より私が気になったのは―― 綾里の兄になるやつがいる。 私はその一言で、全身かなしばりにあった気がした。だってお義兄ちゃんができることは、私の夢みたいなものだったから。 「奏さんに似て、きっと美形なんだろうな」 ……お父さんに言われると、少なからず期待してる自分がいる。 できることなら、優しくて……気の合う人がいいなぁ。 †綾里†image=252331226.jpg
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加