183人が本棚に入れています
本棚に追加
※ここから昂視点です。
「……………………」
あれから俺は1階に降り、そこにいた綾里ちゃんを見て一瞬言葉を失った。
確かに母親から、綾里ちゃんはかわいいと何回も聞かされていた。俺は正樹さんにも綾里ちゃんにも会ったことがなかったから、どれくらいレベルが高いのかわからなかったが――
これは俺の予想をはるかに凌駕(リョウガ)していたな。
綾里ちゃんの水色の髪は膝下まで伸びていて、1本アホ毛が立っている。顔立ちは整っていて、まず間違いなく100人中99人は美少女と言うだろう。……言わない残りの1人はガチホモか、『べ、別にお前なんか美少女じゃないし、気にならないからな』などという男ツンデレのどちらか――って何か自分でも何言ってるのかわからなくなってきた!!
「あらあら、昂ったら見とれちゃって」
「ばっ!?そんなんじゃねぇよ」
母親の言葉に俺は顔を赤くし、ふと綾里ちゃんを見ると――
なぜか彼女も顔が赤かった。
「綾里も昂君のかっこよさにメロメロか?」
「ち、違っ!?」
……俺と同じ状況かよ。
母親と義理の父親にからかわれる子供2人。
それからしばらくからかわれ続け、俺は落ち着くために息を深く吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!