過ぎる時

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「レミ、山にいる。」 人がそろいった途端、リィシェアの頭の上に座りながらさらりと言った。 勿論、周囲の人々は止まった。 私は小さく溜息をついた。 「……いきなり何を言うかと思えば…無理に決まっているだろう?」 「なんで、あなたが答える?」 眉間に皺を寄せながらレェミヤ様は言ったがそれにハレミヤ陛下も賛成した。 「そうよ、ダミア。 レェミヤ…まずは無事、育った貴女にあえて嬉しいわ。 山に住むのは構わないわ…ただし、ラザムかカザルムの保護区にいること。 たまにでいいからどちらかへ行き、山でなにか変化が有ったらそれを伝えてくれるかしら?」 ハレミヤ陛下は優しく微笑みながらゆっくりと話した。 それをじっと見つめながら聞いていたレェミヤ様も笑顔で答えた。 「それだけで良いなら、レミは山にいたい。 でも…たまに……ここ、いたい。」
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