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そのまま、しばらく沈黙が続いた。
すると急に有佳が涙声になって話し始めた。
有「うっ…………、
ごめん、真依姉………。
助けて……………。」
え?
助けて………?
どういうこと………?
真「ちょ、有佳?!
助けてって、どういう事?」
私は声をあげた。
周りの人は、みんな私に目を向ける。
でもそんなのは関係なかった。
有「真依姉……、実は有佳知らない人に誘拐されて、
今目隠しされてるから真っ暗だけど、なんか静かな場所にいるの。
しかもなんか手錠かけられてるし、
あちこち縄で縛られてるし……。
怖いよ……………。」
普段強気な有佳が、こんなに怖がってるのは初めてだった。
怖がり過ぎてパニックに陥った感じだった。
真「有佳、落ち着いて?
今、どんな状況?
もっと詳しく聞かせて。」
私は出来る限り優しく声をかけた。
有「えっと………、視界は真っ暗だけど、なんか車みたいな臭いがしてる………。
しかも外から、たまに車の音が聞こえる………。
あと車のドアの開け閉めとか、子供や大人の声も聞こえるの………。
もう、怖くてーー」
プツッ
ツーッツーッツーッ…………
突然電話が切れた。
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