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“あいつ”、か。
“俺はあいつと一緒にはならない”
同一人物かはわかんねぇけど、前にきっぱりと言ってたな。
「裏切られないかもしれないだろ?その喜びの方がずっといい」
それは誰への言葉なのか?
アリィか。
それとも、“あいつ”か。
“俺ダグラさん信じてよかった”
前に言われたことがあったな。
すっげぇ笑顔で。
こっちが恥ずかしくて嬉しくなるような……。
…………寝よ。
ルイスは結構長い間星を眺めてたみてぇだ。
翌朝の目覚しは足音だった。
数名の人の足音。
村人が実はいたのか?
いや、違うな。
俺は重核の柄を握った。
「ねぇ」
「黙ってろ」
アリィも妙に感じたのか。
足音がぴったりと止まった。
女の家の前で。
奴らは俺らに気付いてねぇ。
しばらくそのまま様子見るか。
乱暴にドアを叩く。
女が出てくる気配はない。
ドアにけりがいれられる。
やっぱり出てこねぇな。
「交渉は今日までだ!」
奴らの一人が叫んで、その場から立ち去った。
この村で何が起こっていても俺には関係ねぇ。
が、しかしだ。
……マジな顔でルイスが見てやがる。
いつ起きたんだよ!
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