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あ!こら待て!
「ナキアさん!」
ルイスの声が聞こえたのだろう。
女が家から出てきた。
ルイス越しに目が合うと、困ったように笑った。
毛布を畳み、重核を背負う。
ついでにアリィをこついた。
「変なところ見られちゃいましたね」
「あいつら何?」
たくっ。
すーぐ首突っ込みたがる。
けど、女は困った顔で笑うだけだった。
「他の奴らは?」
「え?」
突然の質問で把握しきれなかったのだろう。
女はきょとんとルイスから俺に視線を向けた。
俺はルイスをあえて無視した。
怪訝な顔でアリィが俺を見上げる。
「食料買いてぇんだよ」
「ダグラさん!そんな場合かよ」
「そっちのが深刻な問題だろ」
女のことは関係ねぇよ。
「この村には、もう私しかいないんです」
「じゃぁあんたが少し売ってくれ」
「ダグラさん!」
「何だよ。うっせぇなぁ」
しまった!
まともに目合わせちまった。
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