1.動かない女。

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「あんだよ。ここ通っていつも城下町に行ってんだ」 「ふーん。」 なんだよその反応。 ルイスがあっと呟いて俺の隣に並んだ。 「アリィ!あるよ、ほら!」 「わ!本当だ~」 だからあるって言ったろ。 そんな嘘つくかよ。 「でもさ…」 いぶかしむようにアリィが言う。 なんだ?まだ文句あんのか? 「人住んでんの?」 なんだって? 確かに前方に見える村からは明かりが見えない。 さっき暗くなったばっかだ。 寝るには早い時間だ。 つか、以前来たときは明かりがついていた。 村の入り口まで来た。 人の気配が感じられない。 ルイスはキョロキョロと周りを見渡していた。 アリィは疑いの眼を俺に向けた。 俺は一歩踏み込んで、すぐそこの宿屋に向かった。 後ろから二人がついてくるのを、気配と足音で確認しながら。
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