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宿屋に明かりがついてねぇ。
試しにドアを叩いてみた。
……応答なし。
「ダグラさんここは?」
「宿だよ。この村で唯一のな」
「えー!じゃぁ今日も野宿なわけ!?」
あーうるせぇ。
いいとこの譲ちゃんでもねぇんだから、野宿くらいで騒いでんじゃねーよ。
「しゃーねぇだろ。我慢しろ」
むすっとしてアリィは黙った。
「でもさーダグラさん」
なんだ?てめぇも文句あんのか?
「お腹すいたよー」
確かに、食料はもう尽きていた。
この村で買うつもりで計算してたんだ。
そりゃねぇわな。
ルイスもアリィも空腹は主張するが、食い物やその量について文句を言うことはなかった。
アリィはな、食うや食わずだったろうから、食事があれば文句ねぇだろうな。
ルイスは知らね。
いいとこの坊っちゃんだろうが、我が儘はない。
教育のよさが、本当にそれなりに名のある家の息子なんじゃねぇかと思わせる。
かといって、話し方があほっぽいので違うような気もする。
本当、変な奴。
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