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俺は振り返って、ルイスとアリィに視線を落とした。
「食い物がねぇのは問題だな」
ルイスはしっかりとうなずいた。
アリィは渋い顔をしている。
不意に人の気配を感じた。
左か!?
俺は鋭くその方向を睨んだ。
睨まれたそいつはびくっとした。
「あの、話し声がしたので」
おずおずとそいつは笑った。
女?
「この村の人?」
ルイスが愛想よく話し掛けた。
「はい」
女はにっこりと笑った。
おかしいな。
俺が感じたのはこんなんじゃねぇぞ。
「俺ら宿に来たんだけど、開いてないんだ」
ルイスの言葉に女は微笑んだ。
違う。こいつじゃない。
俺が感じたのは……。
しかし、他に人の気配はなかった。
「どうぞ。うちにいらしてください」
「いーの!?ありがとう!!」
「ちょっと!」
こそっと言って、アリィがルイスの服の裾を引っ張った。
「怪しいじゃん!」
「大丈夫だよ」
何を根拠に言ってんだか。
アリィに俺は賛成だ。
いつもなら、な。
「アリィ。心配ねぇ」
万が一の対策くらいしときゃ、問題ねぇ。
それよりメシだ。
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