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俺の勘違いだったみてぇだしな。
「こちらです」
微笑んでいざなう方向に、俺とルイスはついていった。
アリィも不満そうにだが、ついてきた。
女の家は村の真ん中にあった。
小さな家だった。
部屋の真ん中にテーブルがあって、今俺らはイスに座ってその周りを囲んでいる。
ルイスが一番奥、アリィがドアの近く、俺は窓の近くに座っている。
女は夕飯の仕上げをしていた。
正面を見るとちょうど背中が見える。
「そんなにいっぱいはないんですけど…」
申し訳なさそうに、女は背を向けたまま言った。
「気にしないでよ!」
ルイスは笑っている。
アリィは不機嫌なままだ。
「どうぞ」
女は微笑んだ。
テーブルには野菜スープとパンが並んだ。
「おいしそう!」
言うが早く、ルイスはパンを食べた。
パンに何かを仕込んだ感じはないから、大丈夫だろう。
スープから変な匂いはしない。
ほんの少しだけ舐めてみる。
…うん。大丈夫だろ。
アリィはパンにもスープにも手を伸ばさなかった。
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