1.動かない女。

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俺の勘違いだったみてぇだしな。 「こちらです」 微笑んでいざなう方向に、俺とルイスはついていった。 アリィも不満そうにだが、ついてきた。 女の家は村の真ん中にあった。 小さな家だった。 部屋の真ん中にテーブルがあって、今俺らはイスに座ってその周りを囲んでいる。 ルイスが一番奥、アリィがドアの近く、俺は窓の近くに座っている。 女は夕飯の仕上げをしていた。 正面を見るとちょうど背中が見える。 「そんなにいっぱいはないんですけど…」 申し訳なさそうに、女は背を向けたまま言った。 「気にしないでよ!」 ルイスは笑っている。 アリィは不機嫌なままだ。 「どうぞ」 女は微笑んだ。 テーブルには野菜スープとパンが並んだ。 「おいしそう!」 言うが早く、ルイスはパンを食べた。 パンに何かを仕込んだ感じはないから、大丈夫だろう。 スープから変な匂いはしない。 ほんの少しだけ舐めてみる。 …うん。大丈夫だろ。 アリィはパンにもスープにも手を伸ばさなかった。
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