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アリィの言ってることは間違っちゃいねぇ。
「わかんないからだろ!わかんないから、俺は信じたい」
それも間違っちゃいねぇ。
「……信じたっていいことなかった」
……ザイスか。
あいつ今ごろは牢の中だな。
俺が捕まえた。
奴は賞金首で、俺は賞金稼ぎだ。
俺は今まで数々の賞金首を捕まえてきた。
今は横に立て掛けてある大剣──唯一の相棒・重核とともに。
奴はアリィのことを仲間だと言っていた。
何があったか知んねーけど、今はいないらしい“おばあちゃん”と、見つからない“ペンダント”に何かがある。
「裏切られることを恐れて何も信じないより、裏切られるかもしれないけど人を信じたい」
はっ。あめぇな。
“人を信じないで自分の殻に閉じこもるより、人信じて刺される方がいい”
前にもこんなこと言ってたっけ。
「そんなのわかんない!」
どさっという音と布を引く音がした。
「……あいつを見てたらそう思うよ」
珍しいな。
そんな苦々しい声。
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