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だが‥
それをぶち壊すかのように黒い軍服を着た兵士たちが、一瞬で二人のベンチを取り囲んだ。
公園の周りにいた人達は、勇み足で公園から立ち去った。
いきなりな状況に戸惑いつつも姉をかばうように前に立つ睦月。
「なんだ!!アンタたちは!?」
一番偉そうな、唯一ヘルメットをかぶっていない銀髪を三つ編みにした長身の男がふたりの前にでた。
年齢は20代後半にみえる。
睦月はその男を睨み付けたが、男の視線は、睦月の右横に向いていた。
「みつけたぜ?レーバティン」
嘲笑ぎみに睨みを利かせる銀髪男、
その視線をまっすぐ見据える睦月の姉。
「‥姉さん?」
「ふん、何か言ったらどうだレーバティン」
銀髪男は座っている姉の面前に自分の顔を近付け、そして――
「キサマーー!!!!」
叫び声とともに銀髪男に拳を振りかぶって襲いかかる睦月‥
だが、
ドンッ
「か‥」
背後の軍服の兵士が銃を使って睦月の後頭部をうちつけた。
睦月はそのまま気を失い、地面に倒れこんだ。
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