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あのときから泣かなくなって随分経つ。
私の両親は身寄りが無かったため、私は孤児施設を経て、ある家の養子になった。
私の新しい父親と母親はとても私に厳しく、そして優しかった。
ふたりは人格的にまったく問題がなく、おそらく理想の父親と母親だったと思う。
でも私は「おかあさん、おとうさん」って呼びながら、心を開けずにいた。
ふたりも表向き良い子を振る舞う私に気付いていたようだった。
ふたりには娘がいた。
私の義理の妹‥
彼女は私の作り笑いに気付いてないらしく、私の笑顔に素直に笑い返した。
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