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信長討ち死にの報せは各地の信長配下だけでなく諸大名にも知れてしまう
まず報せが届いたのは大坂に駐留する三男・信孝、丹羽長秀の所だった
「おのれ光秀めぇ~!許せぬ!」
大坂には信孝の副将として津田信澄が在陣していた
「長秀…」
「如何なされましたか?」
「これより信澄を攻めるのだ!あやつは光秀と共謀していたに違いないわ!」
「若君!確証はありませぬぞ!それに信澄様は若君と同じ一族ではございませぬか!」
「信澄は光秀の婿じゃぞ!それ以外に何の理由があると言うのだ!今すぐ信澄を攻める!準備致せ」
「はっ…」
…信澄の陣
「何?義父上が謀反だと!?何かの間違いではないか?」
「いえ二日の明朝、本能寺を攻めておりまする」
「なぜだ…ん?何事だ?あれは!?」
「行けぇ!謀反人に与する信澄を討ち取れ~!」
そこに迫ってきたのは信孝らの軍勢であったが信澄には全く身に覚えがなかったがもはや手遅れであった
「こうなってしまってはどうしようもあるまい…」
信澄は信長も認める才覚の持ち主だったが思わぬ罪を着せられ大坂にて討ち取られ堺で晒し首となった
…備中・秀吉本陣
「殿!怪しい者を捕らえました」
「ん?そやつ何やら書状を持っておるな…見せてみるのじゃ」
「………」
捕らえられた者は頑として見せようとはしない
「なぜ見せようとしない!さもなくば命はないぞ」
秀吉が恫喝すると観念したのか書状を手渡した
「……何!!」
「どうなれました!?」
秀吉は書状を読んで放心状態となった
「では某が…」
秀吉に代わって書状を読んだ蜂須賀正勝も驚愕した
「お、大殿様が二日明朝本能寺にて明智軍に急襲され討ち死にしたと…」
「何!大殿が!?」
「そして毛利に援軍を求めておる」
それを聞いた黒田官兵衛は秀吉に進言した
「殿!嘆いている暇はありませぬぞ!」
「嘆かずにおれぬか!一百姓だったわしをここまでにしてくれたは信長様ぞ!」
「だからこそ明智光秀を討ち、信長様の後継者は殿だということを天下に見せしめるのです」
秀吉はしばらく泣き続けたがすぐに切り換えたのである…
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