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秀吉は軍勢を整えると姫路城を発った
軍勢を進めしばらくすると報せが入ってきた
「殿!」
「如何した!?」
「はっ!大坂に駐屯する信孝様をはじめ摂津衆の高山重友殿、中川清秀殿らが合流する由にございます」
「左様か、よし全軍止まれ!」
秀吉は進軍を止め陣を張った
……秀吉本陣
ザッザッザッザッ
「秀吉はおるか!」
「これは信孝様!ご足労かけ真にかたじけない」
「秀吉!こたびの義挙、父上も喜ぼうぞ!」
「裏切り者を討ち取るだけにございます。当然のことにございます」
「光秀の動きは如何だ?」
「はっ、いま探らせておりまする。ところで信孝様」
「何だ?」
「こたびの光秀討伐の盟主は信孝様にお任せいたしたく存じます」
「うむ、言われずともそのつもりだ」
「信孝様が盟主となれば畿内の衆が皆我らに味方しましょうぞ」
「某もそう思う」
長秀も口を揃える。長秀は信孝が信澄を討ち取ってから信孝に不信感を抱いていた
一方、光秀の動きは
…山城・勝竜寺城
「どうじゃ?返事は届いたか?」
安土城を占拠した後、光秀とよしみのある武将に味方になってくれるよう書状を送ったが何の音沙汰もなかった
「何故だ…婿殿でさえ我らに味方せぬとは…」
光秀は細川父子、筒井順慶らに味方になるよう催促したが主を討った不義者に味方する者は居なかったのである
「殿!大変にございます!羽柴勢が信孝の軍勢と合流しこちらに進軍中とのこと!」
「何!秀吉がっ!?あやつは備中のはずでは!?」
光秀が予想もしない事態に唖然としていた
「光秀様!ここは天王山で羽柴勢を迎え撃つしか道はありませぬ!」
明智軍は一万三千対して羽柴勢は約四万…兵数の不利は地の利で覆すしかないと考えたのである
「よし!ならば天王山に向け出陣じゃ!!」
この戦いに勝って天下に覇を唱えるのはどちらか…決戦は目の前である
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