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信繁の父・昌幸は嫡子・信幸をはじめ家臣らを大広間に集めた
「父上、信繁の話とは?」
「分からぬ、とにかく話がある故集めてくれとのことだ」
そこへ幸弘を伴った信繁がやってきた
「そちはここで待っておれ」
「はい」
「皆様方お待たせいたした」
「信繁、話とはなんだ?」
「はっ、父上…にわかには信じがたいとは思いますが真田の末裔を連れて参りました」
「何?」
「信繁!戯れ言を申すでないぞ」
「兄上!決して戯れ言ではございませぬ!今ここに連れて参ります!さぁ、入りなされ」
「はっ」
幸弘の身なりを見て一同は我が目を疑った
「…ん?信繁が二人?」
「これは驚いた…瓜二つじゃ」
「信繁、この者が真田の末裔と申すのか」
「はっ、さ、挨拶を」」
「某、真江田幸弘と申します。今より約400年後の世より参りました」
「400年後だと?」
「はっ、信繁様の亡霊が夢の中に現れわしに戦国の歴史を真田の歴史を変えてくれと命ぜられ参りました」
「うむ、確かに面は信繁と瓜二つだがそれだけでは真田の末裔とは認められんのう」
「父上!」
「昌幸様!某が身につけている物は真田より伝わりし鎧と十文字槍にございます」
「何を申す!そのような鎧に槍などどこにでもあるわ」
「待て!重則!この者は遥か先の世から来たのだ!まだ話を聞こうぞ」
「昌幸様、真に申し上げにくいのですが某のいる日本は戦乱の世でもなく血を流し争うこともありませぬ!故にこのように武具を所持しているのはごく僅かなのです」
「何?そちの世は戦がないだと?なれば国は誰が治めておるのだ?幕府ではないのか?」
「某の世では政府が国を治めております」
「左様か…ならば日本は平和なのだな?」
「はっ、いたって平和にございます」
「ならば何故信繁の亡霊は歴史を変えろなどと申したのだ?」
「ではこの戦国の世、真田家が今後どうなるのかお話致します」
ついにすべてを話す時が来た。果たして真田の未来を昌幸らは受け入れられるのだろうか…
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