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「未亜っ!?」
優奈が横たわる
あたしの体を揺らす。
「未亜っ…どうしたのっ!?
未亜っ!」
「ぁっ……っぅぅ…い…
いたい……っ…痛いよっ」
「どこっ!?どこが痛いっ?」
「う…っ…あ…ぁぁあっ」
「未亜ぁぁっ」
優奈の震える声が耳に届く。
「…ぐぁっ……ぅ…あぁ」
どれくらいたっただろう。
「やだよぅ…」
震えていた声が
泣き声に変わった…。
[お願い…優奈……泣くなよ]
あたしの想いは
声にはならなくて
震える手で優奈の涙を拭う。
「未…亜…。誰か…っ
誰か呼んでくるっ!」
走り出そうとする優奈の
制服を握る。
「や…」
「ぇ…?」
小さい声を聞き取ろうと
優奈があたしに近づく。
「んっ…痛……いや…
行かない…でよ…」
「でもっ…」
「おね…がい……」
「…わ…わかった」
優奈はそっと頷く。
優奈の手を握って
あたしは笑う。
「そんな笑顔…みせないでよ」
優奈がまた
涙を浮かべる。
あたしの意識は
心臓の痛みに奪われた…
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