88人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………誰だ。」
「へ?」
反射的に純は後ろを振り返った。
そこには、漆黒の髪を風になびかせている人が見えた。逆光で顔は分からないが、声からするに男だろう。服は、この学園指定のものを着ている。
(先輩か?それとも同じ入学式に遅れそうになっている仲間かな?)
おそらく前者であろうが、ちょっとだけ願わずにはいられなかったようだ。
「いつまで突っ立っているつもりだ。入学式が始まるぞ。」
男はそう言うと体育館の方に向かって歩き出した。
「あぁ!そうだった!入学式入学式!…って……ガァッ…!」
「っ!?ぉ…おい!」
学習能力が無いと言うことなのだろうか…。先ほどぶつけた桜の枝にまたもや顔面を打ちつけ、後頭部から落下していく。
(あ、あれ?ラッパを持った天使と、星に乗ったひよ子が見える……。)
流石に二回目は堪えたのか、純の意識は闇の中に落ちていった。
最初のコメントを投稿しよう!