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「………」
男が絶命しているのを確認すると
どこかに電話を掛けた
ピルルルル ピルルルル
ピッ
「もしもしこちら風の悪魔です」
《風の悪魔か…
奴は始末したのか?》
「はい」
《すぐに死体処理班を向かわせる》
ピッ
プーッ プー
その者は暫(シバラ)く立っていると
小さく呟いた
「相変わらず冷たいなぁ…」
月の光がその者を照らした
照らし出された姿は
漆黒の長い髪を高く結っている
その者はまだ十代ばかりの少女だった
「お母さん…」
少女は月を見ながら呟いた
少女の瞳は悲しく蒼に煌めいていた
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