風の悪魔

3/3
前へ
/55ページ
次へ
「………」 男が絶命しているのを確認すると どこかに電話を掛けた  ピルルルル ピルルルル  ピッ 「もしもしこちら風の悪魔です」 《風の悪魔か… 奴は始末したのか?》 「はい」 《すぐに死体処理班を向かわせる》  ピッ  プーッ プー その者は暫(シバラ)く立っていると 小さく呟いた 「相変わらず冷たいなぁ…」 月の光がその者を照らした 照らし出された姿は 漆黒の長い髪を高く結っている その者はまだ十代ばかりの少女だった 「お母さん…」 少女は月を見ながら呟いた 少女の瞳は悲しく蒼に煌めいていた  
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

688人が本棚に入れています
本棚に追加