風上 舞 

2/3
前へ
/55ページ
次へ
「風上さん!!」 ぁあ… またその名で私を呼ぶの? 「なんでしょうか?」 偽りの名前 偽りの私 偽りの言葉 私は幾(イク)つ偽ればいいの? 「風上さんって風上財閥の娘なの?!」 「ええそうですよ」 「すごーい!!」 何がすごいの? 偽りの名前で勝ち取った地位なんて 「風上さんは新栄堂って知ってる?」 ぁあ…… 私以外にも自分を偽る輩(ヤカラ)もいる 偽りの仮面をつけて 「知ってますよ 洋菓子屋でしたよね」 「あそこは僕の家なんだぁ」 それがどうしたの? 「そうなんですか」 楽しくもないのに私は笑う 「///今度洋菓子持って来るよ」 私が偽りの笑顔で笑えば周りも笑う 「楽しみにしていますね」 「風上さん俺達も!!」 「僕は…」 「俺は…」 「そこの…」 うるさい…  キーンコーンカーンコーン ベルの音が鳴り響き 教室からぞろぞろとでていく人  
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

688人が本棚に入れています
本棚に追加