◆夢幻蝶◆

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ある時、私は無意識に 蝶を追い掛けていた。 その蝶は 艶やかで、妖しくて。 ひらひらと、私を誘っていた。 私の周りをひらひら舞って 少し私を見つめ、 輝きを残しながら飛びたった。 私がついてこられるように ゆっくりと… ついて行ってみれば そこはパステルカラーの世界で 不思議な生き物が そこで跳ねていた。 みんなが笑って くるくると踊り 飽きることなく、彼等は回り続ける 私の足が 自然と、動き出す 彼等の甘い陽気に誘われて 私は真ん中に立った。 今まで踊ったことのない、 軽やかで、素敵な 魔法のステップを踏む。 柔らかな風に包まれて 私は淡く微笑んだ 綺麗な色の花びらが スパイラルのように 私たちを包む。 嗚呼、この華やかさ 永遠に、消えないで… けど──… おかしいな? 心なしか、周りが…霞んで… 私を包んでいたものは皆 笑顔をそこに残したまま 金色の砂となって 風に飛んでいった… 残されたのは──…
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