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ねえ、
私に踏まれてどう思ってるの?
痛い?
違うの…。
…仕方ないって?
…そうかしら。
…座るわね。
きっとその方が貴方も楽よ
…ふふ、あったかーい
お日様に包まれる幸せ…
私は今、立っている原っぱの草に話し掛けている。
私はずっと、全ての──たとえ人工であっても──物には感情が存在していると思っていた。
いや──…思っている、か。
それが普通だった。
小さい頃からずっと。
今日は一段と太陽の光に透かされていて緑色が綺麗ね。
木陰が、とても気持ちいいわ
…貴方たちは眩しくないの?
…そうね。葉っぱの貴方たちは光が不可欠だものね…。
…揺れる。
笑ってるの?
どうし…
「…ねぇ」
突然現れた少し薄い影の持ち主は、私の友人だった。
「またやってるの?」
彼女はずっと仲良くしてくれる人…
こんな私でも…理解してくれる
「でもごめんね、これだけは…理解できない…」
アニミズム以外は…
散り行く薄ピンクの花弁が、私を横切る。
綺麗だけど、哀しいの。
さようなら、と言っているようで…
少し私の中で、さっきと気分が変わった気がした。
「…変なのかなあ…」
「…貴女の癖?」
「うん…」
彼女は少し笑った…
「変というか…あんまり…理解はされないかも」
「そっかあ…」
やっぱり変かな?
…でも、それが私なのだし…
理解してほしいと言うのは、贅沢?
桜…今からどこに、旅するの…?
私はこれから…
どうなるかなあ…?
◆◇◆
学校での私は、至って普通。
友達がいて、勉強して、
異性が気になって、クラブして…
「…あれ?」
ある日、消しゴムをなくした。
「ないよ~」
「あのちびた、まるっこいやつ?」
「そう」
「諦めたら?もう使えないよ」
友人の一言に、ちょっと傷ついた。
確かに、消しにくいけど…
「でもぉ…」
かわいそうだよ
最後まで使ってあげなくちゃ…
「…」
その方がいいでしょ
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