0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
月夜に一人
廃病院前に
歩く猫に
静かに触れた
彼は空を見渡して
心の眼で
こう言った
僕は目が見えない
だから月を知らない
君は一体どんな姿をしてるんだい?
鳴き叫ぶ鳥は
夕日を告げ
その日も月夜に
猫が歩く
彼は夢はと
訪ね人
僕は口がない
だから話せない
僕は一体どんな声だったのかな?
その日も月夜は
僕を襲う
水辺の光に
照らされながら
猫は静かに
触れて過ぎ去る
嗚呼
月夜に照らされる霧よ
幻を僕に見せておくれ
最初のコメントを投稿しよう!