245人が本棚に入れています
本棚に追加
薄らと目をあける。
ただ空を仰ぐばかりで、状況の理解するには、あまりに情報が乏しすぎる。
「……………?」
……日本にこんなに広い空があったんだぁ……。
……いや。
ガバッと勢い良く起き上がると、貧血気味のような感覚に襲われる。
「……………っ」
いや、耐えるけど。
「……なに、ここ……外国の庭……?」
変な表現かも知れないけど、本当にそんな感じ。
あたしのいる場所を中心にして、放射状に伸びた四つの道。
それぞれの道の先には、それぞれ扉がある。
庭っていうか……中庭、みたいな……。
「とりあえず、移動すべき……だよね? 人いないし」
次から次へと浮かぶ疑問を自己完結させて立ち上がる。
んー……ま、無難なとこから。
そう思って、目に入った一番小さい扉に近づく。
サイズ的にも、お金持ちの物置小屋っぽい大きさだし。
使用人さんとかいるかも知れないし。
……なんか見たことある気がするんだよね、ここ。
そう思いながらノブに手をかけて捻る。
鍵もかかってない。
無用心な……。
「……ん……ガイか……?」
ほんの少し開けたドアから聞こえた声。
「……………っ!!」
思わず、ばたんっ、と扉を閉める。
……嘘、だ……。
え? いや、だって、気付いちゃった……ってか、『気付いた』であってる?
……夢。
そう、夢だ夢。
あたしまた学校とかで居眠りして、多分、その直前かなんかに落描きしてて夢に……。
「んだよ、入ってくりゃいいじゃねぇか」
再び、ガチャリ。
「……………っ!?」
最初のコメントを投稿しよう!