預言の世界

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 ……………。  ……しばしの沈黙。  ……………。 「が……っ」  ……が? 「……っガイ! 貴方女性に対して何をされていますの!?」  駆け込んできたナタリアが、あたしとガイ(の剣の刃先)に割って入ってくる。 「な……ナタリア姫! 危険です! そいつは……」 「お黙りなさいっ! どのような理由であれ、丸腰の女性に剣を向けるなど言語道断! さぁ、剣を収めなさい!!」  驚いた表情で立ちすくむガイに、ナタリアが一喝。  ガイが渋々剣を収めると、ナタリアはあたしに振り返る。 「大丈夫でしたか? ……申し訳ございませんでしたわ。お怪我は?」 「あ、いや、あたしは……」  大丈夫、と言おうとしたところで、ルークがぐいっとナタリアの腕を引く。 「な、何をなさいますのルーク!?」 「おまえ、何者だよ!」  何度目かの質問に、小さくため息をつく。  ナタリアも流石にことの異様さに気付いたのか、少し警戒してる。 「……………」 「……正体も言えないってか」  ガイがため息混じりに呟く。けれどその目には明らかな警戒心と敵意が込められている。 「……………」 「……………」  再びの沈黙。 「……だって」  あたしの一言に、更に視線を強める。 「言ったところで信じちゃくれないだろうしさ」 「……へっ、嘘吐くからって逃げ道かよ」 「何とでも」  ルークの悪態に曖昧な返答。  少し息を呑んで、口を開く。 「……あたし、ここの人じゃない……みたい」 「……ということは……マルクトの方、ですの?」  あー……そういう捉え方もあるんだよね。  一呼吸置いて。 「……あたしはこの世界の……オールドラントの人間じゃない」 「「「………は?」」」  おぉ、見事なハモリ。  
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