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〔3〕
「これは僕の親戚についての話です。ややこしい話なので、紙かなにかに書ければいいんですが・・」
「紙ならありますよ。『海賊』さん」
そう言い、『神野麻衣』はポケットから手帳を取り出し、白紙のページをちぎると、ペンと共に『海賊皇子』に手渡した。
「あ、すみません、『神野』さん」
『神野麻衣』から紙を受け取り、礼を言うと、『海賊皇子』は問題を書き始めた。
『僕の父には兄が一人、弟が一人います。父の弟は、僕にとって叔父で正しいんですが、父の兄は僕にとって叔父ではないんです。さて、父の兄は僕にとって正しくは何と呼ぶべきなのでしょうか?』
「えらいけったいな話ですなぁ。これは『海賊』さんと、『海賊』さんの父の兄との関係を答えるんやんな?」
真中が確認する。
「ええ。そうです」
『海賊皇子』がさらりと答えた。
「いやいや、問題文を読む限り、二人の関係はおじさんと、おいっこやないですか」
真中がさっぱりと言った様子でぼやく。
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