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〔3〕
「さてさて、注目株はどう出るんでしょうかね?ね、米倉さん」
竹内が米倉に向かって話しかける。
しかし、米倉は興味なさげに「さあな」と生返事を返した。
ここは昨日と同じ臨時スタジオブース。ただ、昨日と違うのは、ディレクターの本間がおらず、ADの高杉がいることだ。
そして、竹内は高杉に向かって問いかける。
「高杉さんは誰かお気に入りプレイヤーいますか?」
「いえ、別にいませんね……」
「そうですか……」
竹内はそう言うと、椅子の背もたれによりかかってぼやく。
「ああ、暇だぁ~」
ふあぁ~、と欠伸をする竹内に対してADの高杉が問いかける。
「竹内さん、そういえば『プロデューサー』はどうですか?」
「やっぱりみんなしてプロデューサー好きか。人気者ですね~、あの人は。」
またかよ、と言った様子で竹内が背もたれから起き上がる。
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